研究室で話をしていて,「ガクチカ」が話題になりました。ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略だそうです。そのガクチカが就職試験で問われるので,どうしたらよい?との話でした。
研究室に入る前のことは分かりませんが,少なくとも研究室に入ってからは「研究」ではないかと答えました。それに対して,ガクチカは「学業以外」だから,研究は違うのではということでした。
ちょっと乱暴な見方をします。ガクチカもなにも,研究室に入ってからは「研究」で良いのではと思います。研究=学業なのでガクチカの定義では,ガクチカに該当しないというのならば,「ありません」で良いのではと思います。実際,「ありません」とは言えないことも重々承知していますし,言ってはいけないと思いますが,「ありませんで」良いと思う理由は以下のとおりです。
獣医学科の5年,6年生は他の学部・学科では修士の1年,2年にあたります。修士課程の理系学生が研究以外に力を入れることは不思議に思うからです。もちろん,「ガクチカはありません」のように書いてしまうと何もしていないと判断されかねません。でも,そこに実績があったらどうなのでしょう。「そうだね,一生懸命に研究をしていたので,そんな暇なかったよね」と言ってくれるのではないかと思います(面接官も,分かっていてもそうは言えないかもしれませんね。それにしても,今の学生の皆さんはタイヘンだと思います)。
以前も記載しましたが,(冗談でトイレと一緒といわれるように)No job is finished until the paperwork is done.です。言い換えると,paperwork=証明です。客観的な証明があれば,費やした時間をしっかり理解してもらえます。やはり,「その期間,何をしたか」をきちんと示すことはとても大切だと感じられます。
確かに,学生に研究をさせたいという気持ちが無いわけではありません。でも,そこに当研究室の成果を出したいという意図はそれほど大きくありません。自身の研究を考えたり,他の学生と相談したりする時間,共同研究で外からお越しの先生方とディスカッションする時間は,とても面白く,アカデミアでしか味わえない時間だと感じています。もちろん,そこには必ず成長があります。
いろいろな意見があるので否定はしませんが,今,目の前にあることをしっかりやることがとても重要だと思っています。足跡が道になるという感じです。そうは言っても,自分がそのようにできているかと問われますと,反省するばかりです。
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